<もう一つの移動販売>

先週まではルートを巡回する移動販売でのお客様を中心に書いてきましたが、僕はルート販売以外の移動販売も行っていました。今週はその移動販売について紹介したいと思います。

結局最終的には、僕は移動販売から撤退することにしましたので実現しませんでしたが、将来的には移動販売でビジネス人生を終えるつもりでいました。しかし、法律的な側面から考えますと、かなりグレーの部分があることがわかりましたので撤退を決意することにしました。

そのような結末にはなりましたが、移動販売を始めた当初はずっと続けるつもりでしたので、ルート販売を展開している企業に属する以外に自分で仕入れて販売する移動販売も行うことにしました。自分で「仕入れる」と言いましても、市場で購入することはできませんので、市場と販売業者の中間の仕事をしている企業を探すことにしました。これまでフランチャイズに加盟したことはありましたので、どのような形式であろうとも自分で仕入れることは可能だと考えていました。

ルート販売も行っていましたので、そのほかの移動販売をできる日数は限られてきます。つまりあまり多くの仕入れはできないことを意味します。現実問題として、これらの条件をクリアするのはかなり厳しいものがあります。そこで時間さえあればそうした業者を探していました。すると、僕の条件にピッタリ合う業者が見つかりました。しかも、商品を自宅に配達までしてくれる契約内容でした。

一つ難点を言いますと、「商品の種類が限られている」ことでしたが、仕入れる量が少ないのですから文句は言えません。週のうち1~2日をこの仕事に当てることにしました。こちらはルートと言いますか、回る範囲も場所も自由です。ルート販売の仕事をしながらコツを学んでいましたので、それを参考にしながら場所やコースを決めていました。それなりの場所またはコースを定めるのに1ヶ月ほどかかったように記憶しています。

商売の基本は「人がいる」ことです。そのような場所を求めて試行錯誤していました。

ある日、駅から少し離れてはいますが、それなりに人どおりが多い場所で停まり、声を張り上げていますと、眼鏡をかけた中年の女性が僕をジッと見ていました。僕もしばらく見ていたのですが、少しして思い出しました。相手も「ああ、やっぱり」という顔で近づいてきました。

前々回でしたか、コロッケ店のときに宗教関係の人が定期的に購入してくださった話を書きましたが、その女性だったのです。

僕が「いやぁ、お久しぶりです」と話しかけますと、女性も「ホント、お元気でしたか。今はこれで頑張ってるんですね」と返してくれました。そして、商品を千円分くらい購入してくれました。そのときの平均客単価が400円くらいでしたので、たくさん購入してくれたことになります。

そのときは高校生くらいの娘さんが一緒だったのですが、その後その場所でその娘さん一人が来て購入してくれたこともあります。おそらくお母様から見かけたら買うように言われていたのではないでしょうか。そうでなければ、女子高生がリヤカーを停めて果物を販売しているオジさんから購入などするはずがありません。世の中には優しい人がいるものです。

また来週。

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