<90年代の成功者たち>




土曜の午後11時から関東では「マツコ会議」というテレビ番組を放映しています。昨年後半に見た番組に、90年代に成功者としてマスコミに頻繁に出ていた人が出演していました。その放送回は千葉の豪邸を紹介する内容でしたが、そのオーナーとしての登場でした。

その方が90年代にマスコミに取り上げられていたときは、起業家の成功者として、また世界に数台しかない最高級車の持ち主として紹介されていました。その際に、インタビュアーに「どうして、その車を買ったのですか?」と質問されたのですが、「若い人に夢を与えるため」と答えていたのが、印象的でした。

その後、なにかの記事でそのときのやり取りについて書いてあったのですが、ある評論家が「『高級外車を買うことが夢』というのもさみしい」と話していました。もしかしたなら、当時は成功している真っ最中でしたので本心だったのかもしれませんが、テレビ番組的な意図で言わされていた可能性もあります。

その真偽はともかく、今回マツコ会議に出演していたときの雰囲気はいい意味でセレブ感が漂っていました。昔のようなトガッタ感じもせず好印象を与えていたのは、その後のビジネス人生が好調だったことを示しています。もちろん、それを実践できたのは、この方が人格的に優れていたからにほかなりません。

僕は、自分が飲食店を失敗した経験がありますので、脱サラもしくは起業した方に関心を持ってしまいます。元プロレスラーの長州力さんが「努力したからといって、成功するとは限らない。だが、成功した人は必ず努力している」と話していましたが、僕は「人間的に素晴らしいからといって、成功するとは限らない。だが、成功している人は必ず人間的に素晴らしい」と思っています。

成功者は誰しもビジネス的な能力に長けていますが、人間的に素晴らしい人でないと短期間で終わってしまいます。これまでの成功者を見ていますと、全員が当てはまると言っても過言ではありません。

この方がマスコミに出ていたころは、ちょうど「マネーの虎」という番組が人気があったころです。「マネーの虎」を今風に説明しますと、出資を求む人と出資者をマッチングさせる番組ですが、出資者はこの時点で社長と名乗っている方々でした。社長たちと起業を目指す人たちのやり取りが人気の秘密でしたが、当然出資側である社長たちのほうが上の立場になります。

ですが、その後は社長だった方々がビジネス界の厳しさに遭遇することになり、倒産したり廃業したりなどいろいろなケースがありました。なにごとも「棺を蓋いて事定まる」で、人生が終わるまで結果はわからないようです。

今回、このコーナーで90年代にマスコミに出ていた起業家を取り上げようと思ったのは、「マネーの虎」で出資する側で出演していた人の記事を目にしたからです。起業を目指している若者たちに、上から目線で質問していた人が倒産の一歩手前の状態と伝えていました。この方は数年前から業績悪化に見舞われていたそうで、いよいよ最後の段階にきたようです。

この方以外にも、ラーメン店を展開していた社長もその後廃業していますが、数年前からたまにテレビに取り上げられています。それこそバラエティー番組にありがちな「あの人は今」というコーナーでです。

飲食業界、特にラーメン業界はマスコミの対象になりやすい業界ですので、出演の仕方を見ていますと、将来が見えてくるように思います。これから脱サラを考えている方は、マスコミに惑わされずに正しく番組を見ることが大切です。

では、また次回。







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