<経営幹部の3人組>




今週は僕がリヤカー販売を始めた企業の経営幹部の方々について書きたいと思います。前に幹部の一人の方については少し書いたことがありますが、今週はほかの幹部についても書くことにします。

この会社の経営幹部は50才くらいの男性が2人とこの2人よりも年長の女性の3人で構成されていました。そして、その下に社長という名ばかり経営者の男性がいました。社長については以前書きましたが、僕この社長の前職の業界を批判したことに対して、当初反発しながらも数日後反省の言葉を伝えて人です。たぶん、悪い人ではないはずですが、操られている印象がありました。

先ほど書きましたように男性幹部は二人いましたが、二人の上下関係はすぐに察することができました。一人は西郷さんのような顔立ちでガッシリとした体格に太い眉毛の人です。「格闘技をやっていた」と話していましたが、「いかにも」といった雰囲気が漂っていました。この方が会社全体を仕切っているようでした。

もう一人の男性は頭が薄くなっており、丸顔に眼鏡をかけて身長は西郷さんよりも高く少しお腹が出ている方でした。体格的には、西郷さんのようにガッシリしているわけではなくほどよい小太りといった感じでした。ですが、身長がありましたので外見だけでみますと役職が高そうな印象を与えていました。この方はあの倒産した証券会社、山一証券に勤めていたそうです。

社内で唯一女性である幹部の社内での立ち位置と言いますと、西郷さんと同格といったイメージです。僕が想像するところ、この会社は西郷さんとこの女性が資金を出して創業し、そこに知り合いの山一証券出身の方が合流し、うまくそそのかして社長を引き入れたのではないでしょうか。僕の社会経験からしますと、そのように想像できる関係でした。

幹部の一人が山一証券出身であることを知ったのは、たまたま二人きりで車に乗ったときに僕が尋ねたからです。僕はサラリーマン時代に同期の人に「心の中にどんどん入ってくる」と言われたことがありますが、興味があることに対して質問したくなる性質を持っています。そのときも創業間もない会社でしたので、前職に興味があり、尋ねたところ明るく「山一証券にいたんですよ」と教えてくれたのです。

山一証券が廃業したことは僕からしましても衝撃的でしたので、機会がありましたらいろいろなお話を聞こうと思っていました。廃業する証券会社の内部の様子を生で聞けるチャンスはそうはありませんので参考になったはずです。とても残念でした。

この幹部3人の報酬形態が今一つ分かりませんでしたが、売上げから推察しましてもそれほどは分配はされていなかったはずです。社長は名ばかりですのであまりもらっていなかったはずで、問題は残りの3人の配分ですが平等に3等分していたとは思えませんでした。

実は、元山一の方はあまり働いていなかったのです。販売員は全員朝に野菜をリヤカーに積み込んで営業所を出るのですが、この方は販売をしません。販売ルートには会社から離れた場所もありますので、そこまで販売員を車で運ぶ仕事はありましたが、それ以外はなにもやることはないはずです。僕が見た限りでは、ただ営業所内をウロウロしているだけのように見えました。とても生産性がある働き方ではなかったように思います。いったいなんのためにいたのか不思議な存在でした。

僕がこの会社に見切りをつける頃は、電気も止められていたようで朝早い時間と夕方は真っ暗な環境で作業をしていました。あとから聞いた話では、僕が辞めたあと1ヶ月半くらいで廃業したそうです。その後、この会社の整理を依頼された弁護士事務所から債権手続きに関する封筒が届いたのですが、数ヶ月後この事務所から担当を解除したという通知がきました。

それにしても不思議な3人組でしたが、世の中には僕の知らない世界がまだまだたくさんあることを実感した会社でした。

一年間お読みくださいましてありがとうございました。

では、また来年。







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