<平野未宇選手>




卓球の五輪出場選手の代表争いが熾烈でした。エースの伊藤美誠選手は確定していましたが、あと一枠を石川佳純選手と平野美宇選手が争っていました。現段階では石川選手に決まったようですが、平野選手の健闘も素晴らしいものがありました。また、負けたあとのマスコミ対応にも前回のオリンピックとは格段の違いがあり、大人になった印象があります。

誰でも負けたあとのマスコミ対応は難しいものがあります。それを10代で行わなければいけないのですから尊敬に値します。前回のオリンピックでは平野選手は補欠でしたが、そのときの平野選手は若手でしたので今回ほどは悔しい思いはしなかったのではないでしょうか。ですが、前回のオリンピックのときに伊藤美誠選手に密着しているテレビで平野選手がカメラに入らないように歩いていたのが印象的でした。

現在平野選手はオリンピックのCMに出ていますが、そのナレーションの一部に「…天才と呼ばれ続けた彼女が補欠になった」というフレーズがあります。そのあと「サポートに徹し…」と続くのですが、このナレーションから察しますと、当時僕が考えていたほど「心穏やかではなかった」ようです。

そのときの悔しさをエネルギーに変えて、17年、18年といろいろな大会で優勝しています。17年のアジア選手権だと思いますが、世界ランク上位の中国勢全員を破って優勝したときのうれしさを爆発させて喜んでいる姿が忘れられません。平野さんと伊藤さんの対戦成績は、トータル的には伊藤選手のほうが圧倒的に勝利しているのですが、この時期は伊藤選手にも勝利しています。

その平野選手が東京オリンピックの代表争いで負けてしまいました。負けたあとのインタビューを見ていますと、悔しさと悲しさが出てしまうのは当然ですが、3年前のときとは違う大人の対応が見られました。僕はその姿に感激しています。

現実をしっかりと受け止めたうえで、やけになるでもなく卑下するでもなく、前向きな言葉で答えていました。涙が出てくるのは当然です。これまでどれほど練習してきたのかは、17年、18年の成績を見ればわかります。それほど辛く苦しい練習をしてきたにもかかわらず、望み通りの結果を得られませんでした。

今回の結果が出るまで平野選と伊藤選手、石川選手などが一緒にテレビのインタビューを受けている場面を幾度か見る機会がありました。その映像を見ていますと、平野さんをはじめ全員がほかの人を思いやり、気を使いながら話していたのが好印象でした。

日本チームとしての視点で考えますと、3人は仲間ですがチームを離れますとライバルになります。おそらく平野選手は伊藤選手に対して、小さい頃は同じくらいの成績でしたが、徐々に差がついていることを自覚しているはずです。それでもあきらめす腐らず努力を続けている姿に感銘を受けずにはいられません。

代表選びはあと一人残っているのですが、団体戦のことも考慮しますと、簡単に決められるものはないはずです。是非とも、禍根を残さないように決めてほしいものです。

どのような結果になろうとも、前回のオリンピックから現在までの平野選手の努力がほかの人に与えた感動が消えることはありません。

また来週。

主に若い人が投稿するサイトがあるのですが、そのサイトはデザイナーとか漫画家とか広告界隈で働いている人たちが利用しているようです。先日、そのサイトで気になる記事がありました。

投稿者は経営の世界である程度名を知られた存在らしく、その方が同窓会に行ったときの話を書いていました。端的に言ってしまいますと、「同窓生からライバル心を見せられた」という内容です。その方が座っていると、学生時代にあまり親しくしてなかった同窓生が近づいてきて「俺も、今の業界じゃおまえと同じくらい有名なんだ」と話しかけれたそうです。

前にも同窓会について書いたかもしれませんが、同窓会は「自慢話の競争」になりそうで好きになれません。きたみりゅうじさんという漫画家であり作家でありイラストレーターの方がいるのですが、元々はSEの仕事に就いていた方のようです。

SEの仕事を漫画にして成功したのですが、その方の本に似たようなことが書いてありました。仕事で成功したあとに友人の結婚式に出席したときに、話の流れから「高収入を得ている話」をしたところ、帰りの車の中で友人から「収入がいいからって、調子に乗っているんじゃないよ!」と絡まれたそうです。

友人はお酒も入っていたはずですから、つい本音が出たのかもしれません。ですが、個人差はありますが、人間には嫉妬心というものがあります。

ですから「自慢する話を持っていない人」は出席できないことになります。







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