<野球部に入った僕の一日>

会社では若い方から数えて2番目でしたので、野球部ではもちろん一番年齢が若いということになります。初日の練習で肩のよさをアピールしていましたので、すぐに一目置かれることとなりました。ですが、一目置かれるのは練習のときだけで試合にすぐに出してもらえるかといいますと、話は違ってきます。これはあとで書きますが、試合に出られる人はやはり年功序列です。先輩方を差し置いて試合に出るのは不遜というものです。僕も体育系の運動部に入っていましのたのでそのあたりは心得ていました。というよりもその考えが正解とさえ思っていました。僕は野球ができればそれでよかったので全く問題はありませんでした。

野球部の平均年齢は44才~45才くらいでしょうか。僕も入部して驚いたのですが、50才近い人が結構いました。しかも思いのほかうまいのです。おそらく若い頃はもっと「動けたんだろうなぁ」思わせる人が何人もいました。そういう人に限って「自分が、自分が」というよりも「ほかの人のあとでいいから」と謙虚な姿勢で練習および試合に臨んでいたのが印象的でした。ですから、揉めることはほとんどありませんでしたが、ただ一人だけ厄介な人がいました。この方についてはあとで書くことにします。面倒な諍いに巻き込まれて嫌な思いをしましたので…。

皆さんいい方ばかりだったのですが、その中でも特に気さくにそして親しげに話しかけてきた人が二人いました。年齢は二人とも35才前後で性格がとてもいい方でした。FさんとSさんですが、お二人はほぼ同時期に入社した方のようでFさんは普通の会社で営業職をやっていた方で、Sさんは会計事務所で見習いをしていた方でした。どちらにも共通しているのはのんびりとして穏やかな性格だったことです。

Fさんは野球部に入るまでは野球の経験がなかったそうで技術的にうまいというところはありませんでしたが、若い分動きが俊敏という長所がありました。Sさんは元高校球児だったそうでやはりうまいのです。一番感心したのは投げるにしても打つにしてもフォームがきれいなことでした。投げるボールのスピードは速くはありませんでしたが、ボールの回転がとてもきれいな方でした。バッターとしてもきれいなフォームで快音を残していました。打撃練習では何本もホームラン性の当たりを打っていました。このお二人は野球部以外のときでも親しくしてもらいました。

Mさんという方は50才を越えており頭も禿げ上がっていたのですが、野球は抜群にうまい人でした。どこにそんなパワーがあるかと思うほど動きが素早くまたボールのスピードもありました。この方はエネルギッシュな方で野球もうまかったのですが、もっとすごかったのは勤務期間中に競艇に行っていたことです。よくそんな時間があるものだと感心しましたが、24時間勤務だからこそできる芸当です。成績もいいほうではありませんでしたが、会社から文句を言われるギリギリのラインは守っていたようです。そうでなければとっくの昔に首になっていたのでしょう。

Mさんと同年代の方でやはりうまい方がいました。Uさんという方ですが、この方はMさんとは対照的に真面目でコツコツ練習も仕事もするタイプでした。若い頃にピッチャーをやっていたそうでコントロールもよかったので練習試合でたまにピッチャーを務めることもありました。ですが、タクシー会社の野球部ですので練習試合をすることはほとんどなくただの練習がほとんどでした。それでも僕はとても楽しく練習に参加していました。

練習のある日のスケジュールを紹介しますと、午前6時頃に業務をすべて終え、2階の大広間で仮眠をとり、10時くらいに起きて車4~5台に分乗して練習場へ向かいます。午後1時~2時くらいに終了して会社へ戻り、解散です。それから僕は家に戻って家族と一緒に買い物に行ったり遊びに行ったりしていました。翌日は明け番開けですので仕事に行く必要はありません。ですのでのんびり過ごすことができました。

今、思い返してみますと運転が嫌いな人を除くなら労働環境としてはそれほど悪い仕事ではなかったように思います。もちろん横柄な酔っ払いやガラの悪い人に出会うこともありますが、どこの職場も嫌な場面には遭遇するので同じではないでしょうか。

また、来週。

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